最適な活用法が分かる!12の土地活用法を目的別に比較解説

土地活用を検討している方の中には、

  • どんな土地活用法があるのか?
  • 自分が所有している土地の最適な活用法は何か?
  • どの土地活用法が一番利益をあげられるのか?

といったお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

土地活用は専門性が高く、限られた人のしかニーズがないため、情報が不足しているのも事実です。

そこで今回は、目的別に最も大きな収益が見込める土地活用法をご紹介していきたいと思います。

所有する土地によっては希望する土地活用ができない?

土地活用

土地活用を検討する上で、どのようなタイプの土地活用があり、それぞれどんな種類があるのかを知っておくことが大切です。

また、やってみたい土地活用の方法があっても、所有している土地がやりたい土地活用方法を実現できる土地なのかも把握しておく必要があります。

つまり、どんなに魅力的な土地活用方法があっても、所有する土地が該当していなければ、その土地活用方法を実行することはできないのです。

次章からは、土地活用のタイプや種類を詳しく解説していきます。

土地活用で知るべき法律「都市計画法」と活用タイプ・種別

土地活用タイプ

それでは、まず、希望する土地活用ができるかどうかの根本的な決め手になる「都市計画法」という法律について説明します。

日本国内の土地は、都市計画法という法律でゾーニングされています。比較的、人口が多いエリアは都市計画区域にゾーニングされていることが多く、都市計画区域は次の2つのエリアにわかれます。

  1. 市街化区域と市街化調整区域
  2. 市街化区域等の線が引かれていない非線引都市計画区域

市街化区域内は、用途地域としてさらに細かくゾーニングされています。用途地域とは、その名の通り「用途」が「地域」ごとに決まっているエリアです。

用途地域は12種類にあり、それぞれ建築可能な建物や店舗面積も決まっています。

土地活用方法 用途地域の種類
保育園 全用途地域で可能
共同住宅 工業専用を除く用途地域で可能
老人ホーム 工業専用を除く用途地域で可能
美容院・店舗・飲食店
(2階以下かつ150㎡以内)
1種低層を除く用途地域で可能
店舗・飲食店(2階以下かつ500㎡以内) 1種低層・2種低層を除く用途地域で可能
店舗・飲食店(1,500㎡以内) 1種低層・2種低層・1種中高層を除く用途地域で可能
店舗・飲食店(3,000㎡以内) 1種低層・2種低層・1種中高層・2種中高層を除く用途地域で可能
店舗・飲食店
(3階以上または10,000㎡以内)
1種低層・2種低層・1種中高層・2種中高層・1種住居を除く用途地域で可能
ホテル・旅館 1種住居・2種住居・準住居・近隣商業・商業・準工業で可能
倉庫業を含む倉庫 準住居・近隣商業・商業・準工業・工業・工業専用で可能
店舗・飲食店(10,000㎡超) 近隣商業・商業・準工業で可能

土地活用のタイプと種類

用途地域によって、実現可能な土地活用方法が異なってくることをご理解いただけたかと思いますので、次に、土地活用のタイプと種類をさらに詳しく見ていきましょう。

タイプ 種類
売る 売却
貸す 定期借地
自己活用 駐車場経営
賃貸住宅経営(賃貸アパート経営/賃貸マンション経営)
トランクルーム経営
ソーラー(太陽光発電)
オフィス経営
商業系施設経営(コンビニ/ロードサイド)
医療系施設経営(クリニック)
介護系施設経営(老人ホーム/サ高住/デイサービス/ショートステイ/ブループホーム)
共同活用 等価交換
土地信託

     

ご覧の通り、土地活用には代表的なものだけでも、これだけたくさん種類があります。また、それぞれに目的も違うので、どの土地活用が最適かは人によって違ってきます。

それでは、それぞれの土地活用について解説していきます。

お金をかけずに土地活用したい人向け4選

お金をかけない土地活用

土地活用を考えるきっかけとして最も多いのが、恐らく相続ではないでしょうか?

土地活用に興味がある人の多くが、「親から土地を相続したが、自分で使う予定がないので初期投資を抑えて土地活用したい」というものです。

初期費用を抑えてできる土地活用を検討する上で大きなポイントになるのは建物建築の有無です。

建物建築の必要がない、あるいは、軽微な建物で運用できる土地活用方法には以下の4つがあります。

  • 定期借地
  • 駐車場経営
  • ソーラー経営
  • トランクルーム経営

それぞれの特徴を解説します。

定期借地

この土地活用方法は、所有地を店舗や賃貸住宅等の運営事業者に10年~30年ほどの長期間にわたり貸し出し、地代収入を得る土地活用法です。

土地所有者は、土地を貸すだけで、建物建築と事業は運営事業者が行います。ですから、土地所有者は初期費用を負担する必要がなく、立地条件等から想定される事業収支によっては、初めに設定される地代も高額になる可能性があります。

この土地活用方法のデメリットは、最低でも10年以上は土地を提供する必要がある点です。将来的に自分で活用したいなど予定がない場合にのみ有効な土地活用方法と言えます。

駐車場経営

駐車場経営は自分の土地を車が駐車できるように区画割りし、区画ごとに利用者へ賃貸する土地活用方法です。

駐車場経営には大きく分けて「月極駐車場」と「コインパーキング」の2つの土地活用形態があります。さらに、それぞれに2種類の方式があります。

月極駐車場
  • 管理委託方式:月極駐車場には業者に募集・管理のみを委託し初期投資は自分でする
  • 一括借上方式:業者に整備した駐車場全てを一括して貸し、一般の利用者へ転貸する
コインパーキング
  • 土地賃貸方式:業者に土地を貸すだけで、初期投資・管理・運営は業者がする方式
  • 自己経営方式:自分で投資して駐車場を整備し、管理・運営を業者に委託する方式

駐車場経営という土地活用方法のメリットは、所有地に駐車スペースとなる区画を作るだけで始められ、初期投資が数十万円~と比較的安く済む点です。コインパーキングの土地賃貸方式などは、初期投資ゼロでも始めることができます。

一方、デメリットは収益が上がりにくいことです。エリアにもよりますが、1台数千円~数万円くらいの収益にしかならないので、固定資産税等の税金を払うとほとんど利益が残らないというケースも多いです。

「将来売却したいので、とりあえず短期間だけ土地活用したい」「すぐにどう活用するというのがないので、流動性は残しておきたい」といった風に、短い期間とりあえず損が出ないようにしたいという場合に最適な土地活用と言えるでしょう。

ソーラー経営

ソーラー経営とはソーラーパネルを活用した土地活用方法で、土地や建物の屋根などに設置したソーラーパネルで太陽光を電力に換え、その電力を決められた価格で既存の電力会社へ売電するというものです。

法律で定められた「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、設置したソーラーパネルの発電規模によって、10年間もしくは20年間の固定価格で売電することができます。

ソーラー経営はアパート経営等の土地活用に比べて、空室のリスクなどがなく、長期的に安定して5%~10%の利回りで収入が見込めます。

ソーラー経営のデメリットは、地域によって施工対応できる業者が異なり、よい業者を探すのにとても苦労することです。

というのも、ソーラーパネル等の設備そのものは、大手電機メーカー等が製造していますが、実際の現場への施工は全国各地の地場業者が行っていて、一社で全国対応しているような大手企業が存在しないからです。

トランクルーム経営

初期投資を抑えて、土地活用したい場合にもう一つあげられる方法は、トランクルーム経営です。

トランクルーム経営とは、トランクルーム業者と共同で自分の地にコンテナを用いた施設を建てたり、建物の一部を収納スペースとして区分し、一般の利用者に収納スペースとして貸し出す土地活用方法です。

この土地活用方法では、規模や形式にもよりますが、最も安いもので数百万~の投資で始めることができます。需要次第では、利回りも~30%と高利回りが期待できます。

トランクルーム経営には次のような形式と運営方式があります。

型式
  • コンテナ型:郊外に多い型式で、コンテナを並べただけのものや廊下や階段を設置したコンテナ施設を建築する
  • ルーム型:都市部に多い型式で、日当たりの悪い1階や空き部屋・空きフロア等の建物の一部をロッカーやパーティション等で区分し貸し収納スペースとする
運営方式
  • リースバック方式:コンテナ施設や建物を土地オーナーが建築し、トランクルーム業者へ賃貸する方式
  • 業務委託方式:土地オーナーが設備投資と経営を自分で行い、集客や管理のみトランクルーム業者へ委託する方式
  • 事業用定期借地方式:トランクルーム業者へ土地を定期借地するだけの方式

トランクルーム経営に関しても、どの業者にお願いするかが収益をあげられるかの大きな分かれ目になります。

残念ながら、他の土地活用のように全国規模の大手企業が参入していない業界なので、トランクルーム業者は必然的に地場の中小企業の場合が多くなります。

実績を上げているか?管理がしっかりしているか?など、条件が良く安心してお願いできる業者を探す必要があります。

相続税対策に最適な土地活用2選

相続税対策に最適な土地活用

相続性対策として、土地活用を検討しているという声も多いですね。

相続税は、日本人の5%程度の人しか対象にならない資産家に対する税金ですが、土地は高額になるケースも多く、ある程度の大きさの土地を所有している人や地価が高い都市部の土地を所有している人のほとんどが相続税の対象になります。

相続税対策として土地活用を検討する場合にポイントとなるのは、「税金の優遇が受けられる住居系建物建築による評価額の引き下げ」です。

代表的なものには次の2つがあります。

  • 賃貸住宅経営(賃貸アパート経営・賃貸マンション経営)
  • 高齢者施設経営(老人ホーム経営・サ高住経営)

それぞれの特徴を見てきましょう。

賃貸住宅経営(賃貸アパート経営・賃貸マンション経営)

賃貸住宅経営では、所有する土地に賃貸アパートや賃貸マンション等の賃貸住宅を建築し、一般の入居者に貸し出すことで賃料収入を得る土地活用方法です。

賃貸住宅の管理方法には主に次の3種類があります。それぞれメリット・デメリットも確認しましょう。

種類 概要 メリット デメリット
自己管理 入居者の募集だけ不動産業者に委託しそれ以外は全て自分で行う 家賃は全て自分の収入になる 家賃滞納・クレーム対応・日常清掃等の業務は自己負担/空室のリスクあり
一般管理(集金管理) 入居者とのやり取りが必要な業務全てを不動産業者に委託する 煩雑な業務がほとんどない 3~5%程度の管理費を支払う必要がある/空室リスクあり
一括借上(サブリース) 賃貸住戸全室を一括して不動産業者に借り上げてもらい、管理から経営の全てを任せる 一切手間がかからない/空室リスクなし 家賃の80%~90%程度しか自分の収入にならない/自分で経営判断が下せない

賃貸住宅経営は、最も幅広い土地に対応できるので、住居系建物建築の土地活用の中では最も手軽に始められます。

投資額は、数千万円~数億円という大規模な額になりますが、相続税対策のためには一定規模以上の投資をしないと相続税圧縮効果が薄くなるので、相続税対策目的の土地活用では、まず最初に検討すべき方法です。

高齢者施設経営(老人ホーム経営・サ高住経営)

高齢者施設経営とは、高齢者が介護や安心等の目的で賃貸して住む施設を所有地に建築し、介護事業者や不動産業者が建物を一括借上して事業経営を行う土地活用方法で、社会福祉的な側面が強い事業でもあります。

具体的には、「老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」等がありますが、事業化するには、基本的に介護事業者や不動産業者等の運営事業者と事前に共同して計画を行う必要があり、場合によっては、自治体の開設許可がいることもあります。

手軽に事業化できないという点と、事業者の採算性の点で、一定規模以上の敷地や建物が必要なため、最低でも数億円の投資が必要というデメリットはありますが、社会貢献性が高く、利回りも8~15%と比較的高い数値を期待できるので、相続税対策としては有効な土地活用です。

資産運用におすすめの土地活用4選

資産運用におすすめの土地活用

自分では使わない土地を有効活用したいという資産運用目的の土地活用は、金融商品などの他の投資と比較した上で「投資額・利回り・安定性」に着目して検討するといいでしょう。

投資額がある程度抑えられ、高利回りかつ安定性も期待できる土地活用方法としては次の4つがあります。

  • ソーラー経営
  • トランクルーム経営
  • コンビニ経営
  • 賃貸住宅経営(賃貸マンション経営・賃貸アパート経営)

すでにお話しした土地活用方法もあるので、ここでは、初出のコンビニ経営についてご紹介します。

ある程度投資できるなら有効な土地活用術のコンビニ経営

コンビニ経営は、駅前の商業エリアや幹線道路沿い等のコンビニ需要があるエリアにコンビニ業者と共同でコンビニ店舗を出店する土地活用です。

4,000万~6,000万程度の投資は必要ですが、比較的小規模な土地でもはじめられ、利回りも10%以上期待できるので、資産運用としては有効な方法です。

コンビニ経営には、主に「リースバック方式」と「事業用定期借地方式」の2つの種類があります。

  • リースバック方式:コンビニ店舗の建物を土地オーナーが建築し、コンビニ業者へ賃貸する方式
  • 事業用定期借地方式:コンビニ業者へ土地を定期借地するだけの方式

リースバック方式の場合、土地オーナーが建物を建築するのに資金を預貯金や金融機関から借り入れたりする方法の他に、コンビニ業者が建築費相当分の資金を無利息で貸し付ける「建設協力金(保証金)」という方法があります。

また、リースバック方式では、一般的にコンビニ業者が店舗の内装(レジや冷蔵庫、棚等の営業用設備)を用意しますが、契約条件や業者によっては内装までオーナーが用意するケースもあるので注意が必要です。

目的がハッキリしたら土地活用を業者に相談しよう

相談業者

土地活用の種類と、それぞれのメリット・デメリットを紹介してきましたが、ご自分の目的にあった土地活用は見つかりましたか?

興味のある土地活用があるなら業者に相談することをおすすめしますが、その際に注意してほしいことがあります。

最後に、業者に相談する際の注意点についてまとめます。

土地活用の相談をする際に守るべき注意点は次の2つです。

  • 土地活用専門の部署又は担当者に相談する
  • 複数の業者を比較して条件交渉する

土地活用専門の部署又は担当者に相談する

規模の大きなハウスメーカー等になると、戸建住宅をメインに取り扱う担当者・部署と土地活用をメインに行う担当者・部署が分かれています。

言うまでもなく、土地活用については、土地活用をメインに扱う担当に依頼するのがベストです。ただ、建築会社では、最初にコンタクトを取った営業マンが担当となることが多く、戸建住宅メインの担当が土地活用の提案を行うことも結構あります。

そのため、より良い提案をしてもらうには、確実に土地活用の担当に行きあたるようにしなければなりません。ですから、むやみに住宅展示場などで営業マンに相談するのではなく、土地活用を専門に行う部署へ直接問い合わせるようにしましょう。

複数の業者を比較して条件交渉する

また、同じ土地でも、業者や担当者によって提案内容や条件に大きな違いが出てきます。

プランや構造等、提案の余地が無限にあると言ってもいい土地活用なので、可能な限り多くの業者を比較検討したうえで、後悔のないように条件交渉をするようにしてください。

また、賃貸経営限定ではありますが、経営プランを比較するのにおすすめなのが、「教えて!アパート経営」の一括資料請求です。

教えて!アパート経営を活用することで、全国から厳選された73社から賃貸経営プランを一括で受け取ることができます。

気になる方は、ぜひ一度一括資料請求してみるといいでしょう。

まとめ:目的にあった土地活用をしよう

所有している土地を有効活用するためには、所有地の条件や土地活用の目的をハッキリさせることが大切です。

最適な土地活用は人によって違うので、まずはご自分のニーズをしっかりと把握しましょう。

土地を負の資産にしないために積極的に土地活用しよう

土地は、所有しているだけで毎年安くない税金がかかります。そのままにしていては、お金がかかるだけの負の資産なってしまいます。

逆に、上手く土地活用すれば、大きな利益を生むことができるのも事実です。積極的に土地活用をして、最大の収益を生み出す方法を検討するのが得策なので、所有している土地の条件や目的を洗い出しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です